子どもの将来を思って始めさせた習い事。
でも「すぐ飽きた」「行きたくない」「やめたい」…そんな悩みに直面するご家庭は少なくありません。
本記事では、習い事が続かない子どもに共通する“5つのよくある理由”を分析しながら、どうすれば継続しやすくなるのか、親のサポート方法についても解説していきます。
① 楽しくない・思っていたのと違った
子どもが「やめたい」と感じる理由の中で最も多いのが、「思っていたのと違った」「楽しくない」といったギャップによるものです。
これは、習い事に対する理想と現実の違いから来るもので、本人の意思とは関係なくモチベーションを下げてしまう要因の一つです。
たとえば、ダンスなら「カッコよく踊れる!」と想像していたのに、実際はストレッチや基本のステップばかりで地味。
ピアノなら「好きな曲をすぐ弾ける」と思っていたのに、ひたすら指の練習や音階の反復だった……など、初期のつまずきが楽しくなさにつながることも。
このギャップを埋めるためには、始める前に親が事前に“現実とのすり合わせ”をしてあげることが重要です。
「最初はつまらないと感じるかもしれないけど、大事なステップなんだよ」といった声かけが、やめたい気持ちを防ぐ土台になります。
さらに、成果にこだわりすぎず、通うことそのものをポジティブに捉える空気作りも大切です。
「楽しかった?」「どんなことやったの?」と親が楽しみにして聞いてくれるだけで、子どもは“行く意味”を感じやすくなります。
② 先生との相性が合わない
習い事のモチベーションを大きく左右するのが先生との相性です。
「話を聞いてくれない」「表情が怖い」「褒めてくれない」など、先生に対してネガティブな印象を持ってしまうと、それだけで「行きたくない」と感じるようになります。
逆に、特別に面白い授業内容でなくても、優しくて親しみやすい先生だと、それだけで子どもは「また行きたい」と感じるもの。
先生の存在は、子どもにとって“安心感”や“憧れ”にもなり得る大きな要素です。
先生との相性が合わないと感じた場合は、子どもの小さなサインを見逃さないことが重要です。
「今日は疲れた」「楽しくなかった」といった一言をきっかけに、どんなふうに授業が進んでいるのか、どんな関わりがあったのかを丁寧に聞いてあげましょう。
必要があれば、教室を変える選択も視野に入れてOKです。
その際は「無理に我慢する必要はないよ」「違うところで再スタートしよう」といった、前向きな姿勢で伝えることで、子どもは「失敗ではない」と受け入れやすくなります。
③ 他の習い事や勉強とのバランスが取れない
今の子どもたちは、英会話・ピアノ・水泳・学習塾など複数の習い事を掛け持ちしているケースが増えています。
しかし、スケジュールが詰まりすぎてしまうと、子どもは心身ともに疲れてしまい、結果的にどれも中途半端になるリスクがあります。
特に学年が上がるにつれて、塾の宿題・学校の勉強量・テストなどが増えてくると、自然と「遊ぶ時間がない」「自由がない」といった不満も出やすくなります。
このようなバランスの問題を防ぐには、週の予定を一度“見える化”することをおすすめします。
カレンダーやスケジュール表を使って、習い事・学校・自由時間の割合を確認し、無理のない範囲で継続できるかを見直しましょう。
また、すべてを完璧に続けようとするのではなく、一時的にお休みする・回数を減らすといった調整も有効です。
「辞める」ではなく「いったん休む」「今は控える」という選択肢もあると知るだけで、子どもも気持ちが軽くなります。
④ 成果が出ない・上達が感じられない
子どもは成長や変化を実感できないと、やる気を失いやすい傾向があります。
「がんばっているのに、うまくならない」「まわりの子より遅れている」と感じると、自信をなくし、嫌になる気持ちが膨らんでしまいます。
特に、コツコツ型の習い事(例:ピアノ・英語・書道など)は、成果が目に見えづらく、「ちゃんとできてるのに、評価されていない」と感じることも。
親の関わり方としては、「成績」「テストの点」「先生からの評価」にとらわれすぎず、子ども自身の“内面的な成長”に目を向けることが大切です。
- 「あきらめずに続けていてすごいね」
- 「最初より集中できてるね」
- 「できなかったことが、少しずつできてきたね」
また、上達を実感しやすいように、小さな目標を設定してあげるのも効果的です。
「今月はこの曲を一通り弾く」「1分以内に逆上がりを成功させる」など、わかりやすいゴールを設けることで、子どもの中に達成感が生まれやすくなります。
⑤ 親の押しつけになっている
「なんとなく合わない」「嫌ではないけど、面白くもない」という理由で習い事が続かない背景には、子ども自身が興味を持っていないことが原因の場合もあります。
たとえば、「英語はこれから絶対必要だから」と親がすすめて始めた英会話や、「スポーツはやらせたほうがいい」という理由で始めたサッカーなど、親の希望で始めたものほど、長続きしない傾向があります。
このような場合、まず大事なのは「本人の気持ちをしっかり聞くこと」です。
「嫌なの?」「つまらないの?」と問い詰めるのではなく、「どう感じてる?」とやわらかく聞き、共感しながら一緒に考えるスタンスが理想です。
そして、親自身も「やらせたい理由」を見直すことが大切です。
「将来のため」「できたほうが得だから」といった親の思いも否定すべきではありませんが、本人の意思とズレたままだと続かないのが現実です。
「一度お休みして、代わりにやってみたいことはある?」など、本人の“やりたい”に寄り添う転換が、長期的に見て良い結果を生むことが多いです。
まとめ|「やめたくなる理由」を知れば、サポートできる
習い事が続かない=子どもが飽きっぽい、ダメ…と捉えがちですが、実は外的な要因や環境のミスマッチによるものがほとんどです。
今回ご紹介した5つの理由をふまえ、「どうすれば続けられるか」を子どもと一緒に考えてみましょう。
続けることも、やめることも、どちらも「学び」です。
大切なのは、習い事が子どもにとってポジティブな経験になること。
失敗してもいい、また挑戦できる――そんな声がけとサポートを、ぜひ家庭で取り入れてみてください。
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